5巻のあらすじ

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (全29巻) Kindle版
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (全29巻) Kindle版

『境界線上のホライゾン』第V巻(上・下)のあらすじは、夏休みを舞台に、真田領(信州・上田)における外交と、地下遺跡に眠る世界の真実を巡る物語である。

真田への移動教室と北方の情勢

武蔵勢は、歴史再現の加速と補修を兼ねた「移動教室」の最終目的地として、真田領へと向かう。

真田は、北を上杉(上越露西亜)、西を織田(P.A.Oda)、南を北条に囲まれた小国でありながら、独自の戦力と立場を保持している。

武蔵副会長の本多・正純は、真田との合流を通じて関東・奥州の安定化と対P.A.Odaの足場固めを図ろうとする。

真田十勇士の立ち塞がり

武蔵勢の前に、真田の精鋭である「真田十勇士」が立ちはだかる。

彼らは真田・信繁(幸村)の指揮下で羽柴側とも協力体制にあり、武蔵勢に対して「第一次上田合戦」の歴史再現に基づいた戦闘を仕掛けてくる。

十勇士たちは、それぞれが「要らずの○番」という異名を持ち、独自の意地と誇りを懸けて武蔵の主力メンバーと激突する。

真田の遺跡と30年前の謎

物語の焦点は、地下深く眠る「真田の遺跡」へと移る。

ここは、かつて「どこにも存在しない教導院(天津乞神令教導院)」が設置されていた場所であり、重奏世界と現世を結ぶ「門」の管理が行われていたとされる。

武蔵勢は、この遺跡の探索を通じて、末世の正体や松平・元信が進めていた「創世計画」の断片、そして自分たちが知らない「30年前の真実」へと近づいていく。

過去との対峙とホライゾンの出生

ホライゾンは、トーリの姉・喜美に伴われ、トーリの祖母であるミツが住む出雲(IZUMO)の農家を訪れる。

ミツは、30年以上前にホライゾンの母がこの地で研究していた「地脈を通して行う、大罪の運命の解決」というテーマについて語り始める。

この過去の記録との接触は、感情を持たぬ自動人形であるホライゾンに、自らの存在意義と「生と死の正しさ」を問い直させる契機となる。

運命への抵抗と「夢」の再確認

遺跡の深部では、寿命を迎えつつある大天竜・佐助との命懸けの対話が行われる。

絶望的な状況下で、「如何に生き、如何に死ぬのが正しいのか」という問いに対し、トーリとホライゾンは互いの平行線を重ねる「境界線上」の答えを提示する。

彼らは、過去の失敗や後悔を否定するのではなく、それを踏まえた上で「皆の夢を叶える国」を作るために、再び前を向いて歩み出すことを決意する。

物語は、羽柴側が「本能寺の変」に向けて不穏な動きを加速させ、世界が決定的な対立へと向かう予感を孕んで次巻へと続く。