2巻のあらすじ

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (全29巻) Kindle版
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (全29巻) Kindle版

『境界線上のホライゾン』第2巻(上・下)のあらすじは、武蔵が独立した主権国家としての地位を確立しようとする中、英国(イギリス)を舞台に繰り広げられる激動の歴史再現を軸としている。

英国への航行と三征西班牙の急襲

三河消失を経てホライゾンを奪還した武蔵は、末世解決と大罪武装回収の足がかりを得るため、各国との仲介役になり得る中立的な立場を持つ英国へと向かう。

しかし、その航路の途上で三征西班牙(トレス・エスパニア)のステルス艦による大規模な襲撃を受け、武蔵は深刻な損傷を負って英国近海に足止めされる事態となった。

英国の歴史的背景とメアリの処刑問題

当時の英国は、女王エリザベス(妖精女王)の統治下にあり、宿敵である三征西班牙との「アルマダ海戦」の歴史再現を間近に控えていた。

この海戦を開始するには、歴史的な条件として「重双血塗れメアリ」ことメアリ・スチュアートを処刑しなければならなかったが、彼女はエリザベスの姉であり、英国の複雑な宗教的・政治的対立の象徴となっていた。

武蔵の「傭兵」契約と交渉

武蔵副会長の本多・正純は、英国に対して「武蔵を英国艦隊の代わりの傭兵として雇う」という大胆な提案を行う。

これにより、英国は自国の戦力を温存したまま歴史再現を遂行でき、武蔵は英国の保護下で武装と燃料を補給しつつ、三征西班牙と戦う正当な理由を得るという等価交換が成立した。

アルマダ海戦と救出作戦

学園祭の熱狂の裏で開始されたアルマダ海戦では、武蔵の各艦が三征西班牙の「超祝福艦隊」と激突し、高速の艦隊戦が展開された。

同時に、点蔵・クロスユナイトを中心とした別働隊が、ロンドン塔に幽閉されていたメアリを救出するために突入し、歴史再現としての「処刑」を回避しようと奮闘した。

ホライゾンの感情と大罪武装の回収

戦闘が激化する中、ホライゾン・アリアダストは死んだ父・松平元信への思いから「悲しみ」を真に理解し、大罪武装「悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)」の真の力を覚醒させた。

さらに、彼女は「強欲(フイラルジア)」の感情を自身のものとして受け入れ、新たな大罪武装「拒絶の強欲(アスピザ・フイラルジア)」を掌握することに成功した。

結末

武蔵は「アルマダ海戦」の歴史再現を実質的な勝利で終結させ、三征西班牙の政治的圧力を退けることに成功した。

これにより武蔵は、単なる輸送艦の枠を超えて他国と対等に渡り合える「役者」として国際舞台に立ち、次なる目的地へと舵を切った。