6巻「ロードスの聖騎士」(上)のあらすじ

大司祭ニースの最期と不吉な神託
物語は、マーファ教団の最高司祭であり、かつての六英雄のひとりであるニースが、ターバのマーファ大神殿で最期の時を迎える場面から始まる。
死の床にあるニースのもとには、娘のレイリア、娘婿のスレイン、そして孫娘の小さなニースが駆けつけた。
ニースはスレインに対し、レイリアが実は邪神カーディスの最高司祭である「亡者の女王ナニール」の生まれ変わりであることを打ち明け、彼女たち家族にロードスの未来を託す。
さらに、かつての戦友である大賢者ウォート、鉄の王フレーベ、そして灰色の魔女カーラが支配するウッド・チャックがニースとの別れに訪れる。
ニースは、黒の導師バグナードが破壊の女神カーディスを復活させようとしている不吉な予兆を神託として受け取っており、その危惧を抱いたまま、多くの人々に惜しまれつつこの世を去った。
動き出すマーモ帝国とアラニアの悲劇
ニースの死から一年後、ロードス島は再び大きな戦乱の渦に飲み込まれる。
暗黒の島マーモの軍勢が神聖王国ヴァリスへの侵攻を開始し、かつて解放されたアダンの街を再び占領した。
一方、アラニア王国では、国王を僭称するラスター公爵がマーモと密かに同盟を結び、対立するアモスン伯爵を討ち取った。
勢いに乗るラスター軍とマーモの妖魔兵団は、北部の独立勢力であるザクソンの村をも襲撃する。
村を守っていた魔術師セシルは、若者たちを率いて勇敢に抵抗するが、圧倒的な兵力の前にザクソンは焼き払われ、生存者たちはターバへと撤退を余儀なくされた。
これらの混乱の背後には、破壊の女神を復活させようと目論む黒の導師バグナードの影があった。
騎士見習いスパークと盗まれた第一の祭器
砂漠の王国フレイムでは、王位継承権を持つ若き騎士見習いスパークが、国王カシューから騎士叙勲を待つ日々を送っていた。
そんななか、カノン自由軍を率いる自由騎士パーンとディードリットが、カノン解放への協力を求めてフレイムを訪れる。
しかし、その最中にフレイムの王城にダークエルフが侵入し、宝物庫に保管されていた古代王国の秘宝「魂の水晶球」が奪われる事件が発生した。
スパークは単独で賊に挑むが、あと一歩のところで逃げられてしまう。
スレインによれば、この水晶球は邪神復活に必要な二つの祭器「鍵」のうちのひとつであった。
祭器を追う旅と少女ニースとの出会い
カシュー王は、奪われた宝物を取り戻し、ヴァリスのエト王へ親書を届ける任務をスパークに命じた。
スパークには、傭兵のギャラックとリーフ、神官戦士のグリーバス、魔術師のアルド・ノーバが同行することになる。
さらに旅の途中で、仲間を殺された復讐を誓う女盗賊のライナが加わった。
一行は南へと逃げたダークエルフを追跡するなかで、同じく賊を追っていた巡礼の少女ニース(小さなニース)と遭遇する。
スパークたちはついにダークエルフを追い詰めて討ち取るが、水晶球はすでに別の運び手に渡った後であった。
そして、ニースが自分自身の運命をかけてマーモの企みを阻止しようとしていることを知り、彼女を仲間に加えてヴァリスへと向かう。
第二の祭器の喪失と決意
ヴァリスの聖都ロイドに到着したスパークたちは、エト王と謁見する。
しかし、ヴァリスのファリス大神殿にもマーモの私掠船が襲来し、もうひとつの鍵である「生命の杖」が奪われてしまう。
バグナードはすでに二つの鍵を手に入れ、残るは邪神を降臨させるための「扉」であるニースのみとなった。
ニースは、自分が黒の導師に召喚される「扉」の宿命を背負っていることを自覚し、自らの手で運命に決着をつけるため、マーモへ赴く決意を固める。
カシュー王からの帰還命令が届くなか、スパークは自らの騎士としての正義とニースを守るという誓いのために王命に背き、仲間たちとともに禁断の地マーモへと旅立つことを決断する。