5巻「王たちの聖戦」のあらすじ

ロードスの騎士の決意と新たなる旅立ち
火竜シューティングスターを倒した後の自由都市ライデンにおいて、フレイム王カシューと魔術師スレインは、パーンに対して内乱の続くアラニアの王として立つよう説得を試みた。
しかし、パーンは自らが王の器ではないと考え、特定の国に縛られず人々を救う自由騎士としての生き方を貫くことを選び、その申し出を拒絶した。
彼は、ウッド・チャックの肉体を支配した灰色の魔女カーラの行方を追い、ロードス南部の諸国であるモス、ヴァリス、カノンの現状を確かめるために新たな旅に出る決意を固めた。
パーンにはディードリット、スレイン、神官ホッブ、女傭兵シーリス、グラスランナーのマールが同行し、一行はまずモス王国のハイランド公国へと向かった。
モスの内乱と炎の巨人の脅威
モス王国では、英雄戦争の混乱に乗じて竜の鱗ヴェノン公国のヴェーナー公爵が公王を暗殺し、自らが公王であることを宣言して内戦を引き起こしていた。
ハイランド公国の太守ジェスターは、カシュー王からの同盟の提案に対し、モスの問題は独力で解決すべきであるとして、フレイムの軍事介入を断った。
ハイランドの竜騎士団は、ヴェノン側が味方につけた古代の怪物である炎の巨人の圧倒的な力に苦戦を強いられていた。
ジェスターの息子であるレドリック王子は、巨人を倒すための伝説の魔剣を求めて消息を絶っていたが、パーンたちは山中の古代遺跡で彼と合流することに成功した。
巨人殺しの魔剣とハイランドの勝利
パーンたちはレドリックとともに遺跡の奥深くへ進み、古代王国の秘宝である魔剣ジャイアントバススターを発見した。
この剣は物理的に巨人を斬るためのものではなく、地面に叩きつけることで強力な氷の魔法を発動させ、炎の巨人の弱点を突くための魔力発動体であった。
レドリックはこの魔剣の真の力を解放して炎の巨人を討ち取り、ハイランド軍を勝利に導いた。
この戦いを通じてレドリックは王としての自覚を深め、ハイランドによるモス統一への足がかりを築いた。
また、シーリスはレドリックの求婚を受け入れ、ハイランドの王妃としてモスに留まることになった。
ヴァリス王国の聖戦と黒衣の将軍の再来
一行は続いてヴァリス王国を訪れ、国王として即位していたかつての仲間エトと再会した。
ヴァリスはマーモ軍に占領されたアダンの街を奪還するため、エト王自らが指揮を執る聖戦の準備を進めていた。
一方、アダンを守るマーモ軍の中には、火竜山で死んだと思われていた黒衣の将軍アシュラムが、敗北の責任を問われて一騎士隊長へと降格させられていた。
パーンはエトを暗殺しようとするダークエルフの計略を逆手に取り、自らがおとりとなって彼らを返り討ちにした。
この戦いの最中にパーンはアシュラムと再会して一騎打ちを演じるが、勝敗が決する前にアシュラムは軍を引かせ、戦場はヴァリス軍の勝利に終わった。
カノン王国の帰還と自由騎士の使命
最後にカノン王国に入ったパーンたちは、マーモの圧政に抵抗するカノン自由軍と遭遇した。
その中でパーンを打ち負かしたのはザップという男で、十数年前に出奔したカノン王国の第三王子レオナーであった。
当初はカノン王国再建に興味がなかったレオナーだったが、かつての部下であるカーソンの懇願や、村人たちの惨状を見て転機を迎える。
村人を人質に取って暴政を振るうマーモの闇司祭ログナーを討ち取り、自らがカノンの正統な王であることを宣言して国民に希望を与えた。
またスレインはカシュー王の要請を受け入れ、フレイムの宮廷魔術師として仕える決意を固めた。
パーンはカシューやレオナーから王になることを勧められたが、最後まで一介の騎士としてレオナーの戦いを支え、ロードスの平和のために剣を振るい続ける道を選んだ。