4巻「火竜山の魔竜」(下)のあらすじ

自由都市ライデンでの再会と共闘の約束
スレイン、レイリア、セシル、シャリー、シーリス、オルソンの一行は、フレイム王カシューの勧めにより自由都市ライデンの盗賊ギルドを訪ねる。
そこで彼らは、かつての仲間であるフォース(旧名シュード)とマーシュがギルドの長となっていることを知る。
一行は、カシューから依頼されたマーモの騎士アシュラムの追跡を優先したかったが、フォースらから、ライデン近海を荒らす他所者の海賊船を退治することを条件に協力を持ちかけられ、これに応じる。
また、ライデンでの騒動を通じて、グラスランナーの吟遊詩人マールが仲間に加わった。
海賊の隠れ家での敗北と捕縛
一行はマールを案内に立て、海賊の隠れ家である海岸の洞窟を襲撃する。
しかし、その海賊船はアシュラムが手配したマーモの軍船であり、船内にはアシュラム本隊が控えていた。
不意を突かれたオルソンらは、黒の導師バグナードの弟子グローダーの魔法によってセシルとシャリーが無力化され、苦戦を強いられる。
戦いの最中、シーリスが重傷を負ったことでオルソンは狂戦士化するが、アシュラムの魔剣の力によってその衝動を抑え込まれてしまう。
戦いの末、アシュラムに降伏して捕虜となった。
一方、マールだけは船から脱出することに成功し、その際に敵が所持していた太守の秘宝「魂の水晶球」を盗み出した。
水竜エイブラとの死闘とアシュラムの決意
捕虜を船倉に閉じ込めたまま、アシュラムの一行は「支配の王錫」を求めて青竜の島に上陸する。
彼らは島の洞窟に棲む水竜エイブラと遭遇し、死闘の末にこれを討ち取る。
しかし、エイブラが守っていた宝の中に目的の王錫はなく、アシュラムは次なる標的を火竜山の魔竜シューティングスターに定めた。
アシュラムらは一度隠れ家の洞窟へと引き返すが、そこでマールから情報を得たパーンやカシュー王率いる救出部隊と衝突することになる。
仲間たちの救出と火竜山への進軍
カシューとパーンは、脱出してきたマールから事情を聞き、すぐさま海賊の隠れ家を強襲してオルソンらを救出した。
その際、ライデンがシューティングスターの襲撃を受けて炎上していることを知る。
カシューは街の救済よりも、アシュラムに先んじて魔竜を討ち王錫を確保することを優先し、全員で火竜山を目指す決断を下した。
道中、オルソンは死闘の影響で感情を取り戻しつつあったが、同時に狂戦士としての危うさも抱えたまま進軍を続けた。
火竜シューティングスターの討伐と英雄の決着
火竜山の火口近くで、カシューとアシュラムの双方はついに顔を合わせる。
共通の敵である魔竜を倒すため、両者は一時的な共闘を約束した。
ディードリットが風の王ジンを、スレインが強力な破壊魔法を駆使し、カシューとアシュラム、パーンが連携してシューティングスターに挑む。
激戦の果て、カシューの剣が魔竜の心臓を貫き、ついに討伐に成功した。
魔竜の死後、カシューとアシュラムは支配の王錫を巡って一騎打ちを開始する。
技量は互角であったが、アシュラムが誓約を破り王錫を手に取ろうとした瞬間、パーンが突進して王錫を弾き飛ばした。
王錫は火口の底へと失われ、アシュラムもまた火口へと身を投げた。
戦いの後、狂戦士として力を使い果たしたオルソンは命を落とし、シーリスによってその場に葬られた。
一行はそれぞれの目的を胸に、静かに火竜山を後にした。