レイリア

目次
外見
髪と顔立ちの描写
レイリアは夜空の色に例えられる豊かな漆黒の髪の持ち主である。
その髪は艶やかで美しく、背中まで長く流されている。肌は非常に白く、エルフのディードリットの肌の色と比較されるほどの色白であると描写されている。
瞳は青く澄んでおり、顔立ちは端整で美しい。
服装と装飾品
服装に関しては、通常は左胸に大地母神マーファの紋章が刺繍された純白の神官衣を身にまとっている。
魔女カーラに肉体を支配されていた時期には、胸元が大きく開いた紫色のドレスを着用し、額には人の双眸を想起させる模様が刻まれた黄金のサークレットをはめていた。
支配から解放された後は、ドワーフの細工師ギムの遺作である金色の髪飾りを愛用している。
この髪飾りは単体では地味な細工に見えるが、彼女の黒髪に差し込まれることで本物の星のような輝きを放つものである。
佇まいと雰囲気
彼女の佇まいは華麗かつ聡明であり、優しさと強さを同時に秘めた印象を周囲に与える。
魔女として活動していた頃の冷徹な雰囲気とは異なり、本来は深い慈愛に満ちた清らかな表情をしており、司祭としての威厳を常に保っている。
また、彼女自身が戦士としての優れた訓練を受けているため、小剣を携えた姿も様になっている。
性格
慈愛に満ちた聖職者としての顔
レイリアは大地母神マーファを信仰する司祭であり、その性格は女神の教えを体現する慈愛に満ちている。
彼女は「華麗にして聡明、そして優しさと強さを同時に秘めた女性」と評されている。
その献身的な姿勢は、アラニア軍の襲撃を受けたハナムの村長が瀕死の状態で運ばれた際、周囲が伏兵を警戒する中でも自らの危険を顧みず、まず門を開けて治療を優先させた行動によく表れている。
彼女は司祭としての威厳を保ちつつ、いかなる身分の者に対しても分け隔てなく接する清らかな精神の持ち主である。
困難に立ち向かう強固な意志
彼女の性格のもうひとつの側面は、不正や困難に対して決して屈しない強固な意志である。
ザクソンの村において暴徒化した群衆が夫スレインの館を取り囲んだ際、彼女は武器を持たずして毅然と立ちはだかり、その威厳だけで暴漢たちの勢いを削いだ。
また、魔女カーラに肉体を支配されていた七年間という過酷な過去を背負いながらも、絶望に沈むことなく、自らの罪を償うためにロードスの再建に尽力しようとする姿勢は、彼女の精神的な強さを示している。
宿命を受け入れる覚悟と深い思慮
レイリアは、自らが邪神カーディスの最高司祭である「亡者の女王ナニール」の転生体であるという、逃れられぬ宿命を背負っている。
しかし、育ての母である大ニースの教えにより、彼女は邪悪な本能に打ち勝ち、マーファの聖女としての自己を確立した。
彼女は自らの内側にある「亡者の女王」の意志を否定するのではなく、それさえも自分の一部として抱き止めることで、魂の均衡を保とうとする深い思慮深さを持っている。
この自己の内面と向き合う誠実さが、彼女の性格の根幹をなしている。
自己犠牲と家族への献身
彼女の行動原理の根底には、愛する者への深い献身がある。
夫であるスレインとの絆は、単なる夫婦愛を超え、互いの呪われた運命や過去を共有し支え合う強い信頼に基づいている。
また、娘である小ニースに対しても、自らの過ちを繰り返させないために、あえて幼い娘を母に預けて旅に出るなど、厳しい決断を下すこともある。
物語の終盤、彼女は再びカーラのサークレットを額にはめる決断をするが、これは自らの意志でカーラの悲しみや記憶を受け止め、ロードスを支配してきた灰色の呪縛に終止符を打つための究極の自己犠牲であった。
能力
大地母神マーファの神聖魔法
レイリアは、マーファ教団の最高司祭ニースを母に持ち、自身も高位の司祭としての能力を有している。
その能力の核となるのは、対象の傷や病を癒やす治癒魔法である。
過去には、アラニア軍の襲撃により重傷を負ったハナムの村長や、魔獣に襲われた傭兵のマーシュらを治療している。
司祭としての能力は極めて高く、ザクソンの村の自宅や大地母神の聖地であるターバの神殿への瞬間移動を、可能にする帰還の呪文を行使することもできる。
鍛え抜かれた戦士としての武技
レイリアは司祭であると同時に、神官戦士としての訓練も受けている。
そのため、接近戦においても優れた技量を披露する。
獲物は主に小剣を使用し、その腕前は、魔女カーラに肉体を支配されていた際、自由騎士パーンやエルフのディードリットを同時に相手にしても引けを取らないほどであった。
実戦では、マーモの兵士や暗黒神の司祭ログナーを小剣の一撃で仕留めており、相手の隙を逃さず急所を貫く的確な攻撃能力を有している。
強靭な意志と精神の防壁
レイリアの最大の特徴は、その強靭な精神力にある。
古代王国の魔女カーラによって七年もの間、精神と肉体を支配されながらも、最終的には自らの意志を呼び戻して支配を打ち破っている。
物語の終盤では、再びカーラのサークレットを額にはめることで五百年以上にわたる膨大な記憶と知識、そしてカーラ自身の強い意志を受け止めたが、それらに飲み込まれることなく己を保ち続けている。
生い立ち
呪われた転生と聖女による養育
レイリアは、かつてアラニア建国期に封印された邪神カーディスの最高司祭である、亡者の女王ナニールの生まれ変わりである。
およそ四十年前、ナニールが六人の冒険者に滅ぼされた際、その魂がひとりの赤子の肉体に転生した。
事実を知った冒険者のひとりが、邪悪な魂の浄化を期待して、ターバにあるマーファ大神殿の最高司祭ニースにその赤子を預けた。
ニースは赤子にレイリアと名付け、実の娘のように大切に育てた。
その後、十七年の間、彼女は亡者の女王としてではなく、敬虔なマーファの司祭として清らかに成長を遂げた。
運命を暗転させた失踪事件
レイリアの平穏な人生は、物語の本編が始まる約七年前に発生した事件によって一変した。
当時、母であるニースは、ドワーフ鉱山の事故で瀕死の重傷を負った細工師ギムを治療するために神殿を不在にしていた。
その隙を突いて神殿に何者かが侵入し、レイリアは敗北して連れ去られてしまったのである。